鍼灸院の「各種保険取扱い」を自院で使うか?使わないか?

2013年3月7日木曜日

【鍼灸院の運営・業務の流れ】関連 【鍼灸開業 準備・手続き 編】 鍼灸開業にあたっての知恵・知識

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鍼灸院を独立開業する時、
自分の鍼灸院では、保険診療を行うか?行わないか?
という事を考えます。

今回は、そういうことを踏まえた内容。

私が実際、鍼灸院で修行中、
鍼灸院の各種保険取扱いを行っていました。
そこでの気づきや苦労話などを書きます。

鍼灸の保険診療についてを熟知されている方には浅い内容です。。^^;;
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【各種保険取扱い】
整骨院は、自院で保険を取り扱うことができます。
近年、保険取扱い出来る幅が年々減っている様子です。
鍼灸院は、医者から同意書または診察所をもらってから保険取扱い開始、
3ヵ月毎に再同意を得ないといけないので結構しんどい感じです。
患者さんに一回、病院へ同意書を取りに行かせて、保険施術開始ですね。

 

 

 

【鍼灸院の「各種保険取扱い」は、】

同意書以外にも縛りがありまして、
鍼灸で保険開始したら、
同病名で医者にかかれなくなります。

腰痛なら腰痛で病院での保険治療がうけれません。

地域によっては、お医者さんが鍼灸嫌いで書いてくれないとか、
とりあえず、整形外科のお医者さんは、
いわば腰痛持ちなどの同じ患者さんを扱うわけなので
職域を侵されるわけです。

言葉は悪いですが、わかりやすく言うと、
自分の医院や病院に来ているお客さんを
そうそう鍼灸側にわたさないですよね。

なので、だいたい内科とか別の科目の
病院の医師に同意書を書いてもらうことになると思います。

 

独立開業してから私は、
自分の鍼灸院で保険取扱いは今のところしていません。

 

やはり、同意書発行の手間や、
3ヵ月毎の再同意(口頭でも可能)の手間、
あと同病名たとえば、腰痛の患者さんが鍼灸で保険を使う場合に、
整形外科で腰痛で保険診療を受けられないという縛り
など
を考慮するとどうにも時間がと手間とられるのです。

※ここから、実際のケースも細かく記載されています。
じっくり読んでみて下さい。※

過去、他鍼灸院にて修行中に
同意書で保険を取り扱っている患者が
始め10名いない程度いたのですが、
10名いない程度の3ヵ月毎の保険適用期間の管理も
それなりのストレスを感じました。

(再同意の期間の決まりも変更があり、
当時より(10年前くらい)は今(平成25年現在)は
若干ですが、3ヵ月毎の保険適用期間の管理も
楽になっているとは思います。)
たった10名程度で管理が大変でした。(そう思うのは私だけ?)

 

私が雇われていた鍼灸院を退職するときは、
同意書をかいてもらって鍼灸治療に保険を適用する
保険取扱いの患者が18名程度まで増えていました。

 

書類におわれてとても大変でした。

始めは、ほとんど手書きでした。
私の勤務が1,2年たったころから、
パソコンでの入力で保険書類を作成できるソフトが鍼灸院に導入されました。

 

これで鍼灸院の住所や保険の請求場所の住所や患者の住所など
繰り返し書かなくてよくなったので少し楽になりましたが、、
患者自筆のサインが必要でサインをもらわないといけなかったり、
患者さんの印鑑が必要だったり、
年配の方って、サインしたがらないんですよね。。

 

手が震えるとか、
字は書けるのに、「字を書けないから書いて。」とか言ってきて、
なかなか書こうとしない。(;一_一)

 

患者さん「字が汚いから、書いておいてください。」
私「汚くても大丈夫なので、お願いします。」
患者さん「いや~いいから書いといて。」
私「これ患者さんの自筆じゃないといけないんですよ。」
とういう、こんなやり取りを数分したりします。

 

誰か弟子でも雇っていたらいいいのですが、
私は一人で運営しているので、
どうにもこのやりとりをしたくありません。。
(それはわがままだ と言われてもけっこうです。)

 

保険を取扱いになったからと言って、
週に何回も来てくれない方も結構います。
そんな方の印鑑を押せない時も
けっこう困ったものです。

 

鍼灸院行くから印鑑持って行かなきゃって
発想ないじゃないですか普通に考えると。
鍼灸院側が「次に来院の時は持ってきてください」っていっても、
患者さんが忘れるの無理ないんですよね。

 

あと、3ヵ月毎の再同意のお願いを
患者さんに3ヵ月経過する前に伝えないといけません。

でないと、ルールとしては保険取扱い終了なので、
通常は、鍼灸院に来院されたときに、
「~~までなので、また病院で口頭でいいので
‘鍼灸続けていいですか?’って聞いて
同意を得てもらってきて下さい。」
など患者さんに伝えて再同意をとっていました。

でも、あまり来ない患者さんの場合、
電話でそれを伝えるのですが、
電話に出ないとか
電話しても一向に再同意したことを伝えてくれない。など
なかなか思うようにいかないです。

 

鍼灸院が暇なうちはいいのでしょうが、
忙しくなったらとてもわずらわしいと思います。

 

高齢者の方に使いたい保険ですが、
高齢者の方には、
少し難解な保険適用の決まりがあったりして、
どうにも使いづらいです。

患者さんにも施術者側にも不便な保険。

 

「週に2,3回必ずと言っていいほど鍼灸院に来院される患者さん」なら
医者から同意書をもらって
保険を取り扱う価値あると思いますが、
鍼灸院側の意図に反して、
月に1、2回来院という方も、いらっしゃっいます。

 

「”保険がきいて安くなったからと言って、
たくさん来るというわけでもないケース”もよくある話」

 

だということは知っておいたほうがいいです。

私が雇われ(修業中)だったころ
保険取扱いの患者さんも保険適用して月3,4回とか。
月1,2回してこなくなったり。
月に1回などで来なくなったケースだと、
給与をもらってる立場だったのですが、
同意書の説明や同意書の管理など手間のほうがかかっただけで、
収入的に保険診療を辞めて
別の患者さんを受け入れた方が
プラスなのではと思えるほど。
(そこは流行っている鍼灸院だったこともあることから)

 

保険と適用して、
月1,2回の来院を長い期間続けてる方などいます、
月に10~15回前後の来院の方って
20名程度いた当時2~3名だったと思います。

 

この手間と保険取扱いの難解さは、
とても取扱いがいいのか不都合なのか悩まされます。
それに加え、国の医療費の節減などで、
鍼灸などの保険取扱いの末端が
圧迫を受けないわけもなく
今後、縮小は当たり前のようにあると思われます。

(あくまでも私の独自の予想です。)

 

しかしながら、保険を取り扱いたいという
施術者も少なくもない思われます。
(特に若い世代の鍼灸師の方たち)
患者さんが払う施術代が安くなるということは、
それだけで患者さんが鍼灸院に通いやすく
「集客にも効果大」だと思います。

以前から、実費治療や、
市からの助成金での施術取扱いを行っている
老舗の鍼灸院が多い地域の場合、
いまさら医師に同意書を書かせて保険治療を取り入れよう
という所はまずないと思われます。(とくに田舎の地域)


(なぜかというと、
老舗の鍼灸院では、もらえる施術料金の少なさや
その割に保険請求のわずらわしさがある事などから
保険取扱いに関して消極的なところが多い傾向だからです。)

 

そういった地域で、保険を取扱いすると
抜群に患者さんを集めることができそうですよね。

 

 

ちなみに、鍼灸の保険取扱いで
もらえる金額はだいたい以下の通り。、
1術(はりのみ、もしくは灸のみ)1,100円前後。
(ここから患者負担1割なら110円。3割なら330円患者からもらう。)
2術(鍼灸両方)1,500円前後。
(一割なら150円、3割なら450円患者からもらう。)
初診料はこれにプラス1,500円程度だったでしょうか。。
おおざっぱな値段ですが、こういう感じです。


鍼灸院によってこれにプラス追加料金を
貰っているところも多いようです。

 

私が雇われていたところは、
上記のような値段しか患者さんからいただいていませんでした。

 

 

≪保険診療の金額が、年々変わったりしています。
あまり大きな額の違いはないのですが、
上記のはおおざっぱな値段です。
詳しくは調べてみてくださいね。≫

 

鍼灸院を保険取扱いにするかしないか、
考える時の参考にでもなれば幸いです。






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